「七都……」

 群青が七都の肩に手を置いた。凛々子を失ったことを戦力的によりもむしろ精神的にかぎりない痛手としている、レジスタンスの人々に言うべきでないことを七都は言っていた、けれど七都にだけは、それを言う権利があるのもまた確かなのだった。

 七都も、自分が今、言ってはいけないことを言っているとはわかっていた。けれど止められなかったのだ。

「……あたしおかあさんのこどもになんて生まれなければよかった。今からでもできるんだったら、いつでもずっとそばにいてくれるおかあさんと取り替えたい……。おかあさんなんて嫌いよ。第七都のためにいくら戦ったって、みんなのことをたすけたって、それでどれだけみんなに愛されていたとしても、あたしのことはどうでもよかったおかあさんなんて、あたしにだけはこれっぽっちの価値もない」

 群青の手を振り払い、言葉もなく立ちつくすレジスタンスの人々を邪魔そうに押しのけて、七都は開いたままのドアから出て行った。