「群青はどうしてレジスタンスにいるの、戦が好き?」

 唐突に七都に問われ、群青が少し驚いた顔をした。

「あたしにはわからない、こんなものを振り回して、なにがどう解決するのかが」

「……」

 それは正論かもしれなかった、けれど現実ではないと、群青は思った。しかしそうと言いたくはなかった。その七都の意見と、自分のほんとうの気持ちは同じものであったから。

「それは僕にも、そしてきっと他のみんなも、まだわからないでいるんだ、だって戦が終わっていないから」

 第七都に降りかかる火の粉を、凛々子がはらった、それがこの長く続いている戦の始まりだったと聞いている。

 殺し合う数を競うことで何かを為そうなど、馬鹿馬鹿しいことだとは、群青も知っていた。けれどその言葉が通じず、喉元に剣を突きつけられたときに、ひとが取ることのできる選択肢は限られているのだ。

「けれど七都、」

 群青が何かを言いかけた、そのとき。突如打ち鳴らされた鐘の音が響いた。

「なに?」

 座り込んで凛々子の剣の飾りを指で弄んでいた七都が、驚いて飛び起きた。

「戦だ」

 群青が短く答えた。

「えっ……」

 静かだった窓の外がざわめきはじめていた。

「七都、ひとりで教会まで帰れる?」

 群青がそう聞いたが、七都はうなずきはせずに答えた。

「あたしも行く」

「……七都?」

「あたしも行くわ、ずっと第七都にいて、おかあさんを殺されて、それなのにあたしは、戦っていうもののその正体も見たことがない」

 七都は凛々子の剣を掴んで外へ出ようとする。その腕を群青がつかんで止めた。

「七都、戦場は、身を守る術を持たない女の子が出て行って安全な場所じゃない」

「止めないで。それでもあたしは見たいのよ」

 七都が群青の手を振り払う。群青はあきらめたようにちいさく息をついた。

「わかった、僕も一緒に行く。離れないで」

 七都が頷いた。

「――ありがと」