「ひゃ……っ」
「さっ、行きましょう!ね!」
俺はガバッと立ち上がり、琴音さんの手を引く。
琴音さんは驚いたような表情をしていたけど、こうするしかなかった。
早くこの甘過ぎる空間から脱出しなければ。
自分にはめた足枷はまだ外れていないんだから。
きっと、外の冷たい空気に当たれば、頭も体も冷えて冷静になれる。
自分の意思ではどうにもできず外的要因に手伝ってもらわないと冷静になれない俺は、それだけ琴音さんの虜なんだと思う。
……きっと、これからもずっと変わらず。
クリスマスという大イベントをもってしても、ヘタレな俺はヘタレなままで終わってしまった。
……俺がヘタレから脱出できるのは、いつになるんだろうか?
そんなの……今の俺にわかるはずもなかった。
まだまだ俺の禁欲生活は続きそうだ。
*つづく?笑*

