彼氏は11才!?

ちなみにマレーバクとは奇蹄目・バク科の動物でマレー・ビルマ・スマトラ諸島に分布している。
森林の奥地にある湖や川などの水辺に好んで住み、泳ぎが得意で敵などに襲撃されると水中に逃げ込んでしまう。
普段は大人しいけれど、怒ると襲ってくる危険性を持っている。




そんなマレーバクをじっと見つめる紅ちゃん。



そして、ポツリと一言。



「…不味そうだな」




え?



他の子供達は『可愛い〜!』とか『こっち向いて〜!』とか言ってるのに、この子ったら渋い顔で味の想像しちゃってたよ。


何て子なんでしょう。




「白雪、次に行こう」


くるん、と何くわぬ顔で踵を返してマレーバクの檻から去る紅ちゃん。

その紅ちゃんに手を引っ張られ、私達は次の動物へと向かった。






そして紅ちゃんは行く先々で不穏な発言をしてくれた。


ペンギンを見て『中年太り』と罵り、象を見て象牙の値段を予想したり、餌の取り合いをするニホンザルを見て唾を吐きそうな顔をした。



やはり子供らしさが著しく欠けている。



そんな紅ちゃんの足がいきなりピタリと止まった。


一点を見つめる紅ちゃん。