彼氏は11才!?

ドンドンドンドンドンドンッ!!


「自殺なんてしちゃダメ!!」

「そうですよ!自殺をするくらいなら私にやらせて下さい!!」

「死ぬ前にMの世界を覗きなさい!!きっと苦痛も快楽に変わるよ!!」

「ヒョオゥッ!?」


扉の向こうで男の悲鳴がした。
声の低さから、どうやら子供では無いらしい。

っていうか…ビビってるってことは私達の存在に気付いて無かったの?


「だ、誰…!?」

「修理業者の者です。俺達でよかったら話を聞きますよ?」


正宗がなるべく優しい声色で話かけた。
泣き声が止まり、少しの静寂が続いた後…ゆっくりと個室の扉が開く。



「おぉ…」

「すっげー…」


扉の向こうから現れたのは外国人男性だった。


金髪に青い瞳を持った、モデルも鼻血を出して逃げ出すような超美青年。

彼が自殺志願者だったのだ。



「あ、あの…貴方は?」

「…イタリア語教師のエミリオ・アルマーロです……」


プルプル震え、名乗るエミリオ先生。

長時間トイレに居た為か、芳香剤の香りが漂っていた。


「えっと…どうして貴方は死にたいなんて言っていたんですか…?」


美青年を前に不覚にもドキドキして目が見れない。