彼氏は11才!?

母さんの背後に虎をくわえた龍が見える。


「結局それか!!」


最初っから私の意見など聞く気なんざありゃしねぇ。


「私は今から紅一郎君の服とか下着とか買って来るから後はお願いねー!」


オホホホホ、と笑いながら去って行く母へ無性に蹴りをかましたくなる。
だが、そんなことをすれば私の命は確実に天へと昇るだろう。


数々の不満と不安を私は〜だながらに飲み込むしか無かった。





結果:私と紅ちゃんはめでたく同室になりました。







〜in私の部屋〜




「汚い…。お前、本当にダメ女だな」


格闘技の本やらCDやらが散乱した部屋に心底嫌そうな顔をする紅ちゃん。

私はひとまず下着を拾い集め、キャビネットの中に押し込んだ。


「カーテンは画鋲で留めるのか?」

「もういいや。着替える時だけ外に出てくれてれば」

元々、下着姿で家中を歩き回るという潜在能力を持つ私。
11歳の子供が部屋に居たところで大した問題では無いと開き直ってみた。

何せ相手は下の毛も生え揃っていないであろうガキんちょなんだから。

こうなりゃヤケだ。



「さて、母さんが帰って来るまで寝ますか」