彼氏は11才!?

さっきまで普通に『羽咲さん』って呼んでただろうが。
明らかに今さっき思い付いたんだろ。


悪いけど突っ込んでやらないよ。



「紅ちゃんと来たの」

「デートですか。生意気ですね」

「俺もデートしたい…」

「断る。っていうか烏龍茶ちょうだいよ」



後ろに並ぶ人達の視線がさっきから痛いんだよ。


「はい、どうぞ。俺の奢りだよ」

「お前なんかに奢られるなんて不愉快だよ。はい、400円」


やたら高い烏龍茶の紙コップを掴み、その場から離れる私。


だが案の定、奴等は付いて来た。

仕事はどうした、と問いたいがコイツ等に常識や秩序という概念は無い。



無視して競歩のごとくスタスタ歩く私。



「…何でコイツ等が居るんだ?」

「バイトをしているからですよ」

「仕事に戻れ」

「心配しなくとも休憩を貰ってきた」

「心配なのはお前等の未来だ」



ちゃっかり休憩所の丸太椅子に座る双子の変質者。


「あら、お弁当ですか?」

「まさか羽咲さんの手作り!?」

「作ったのは僕だ。白雪は廃棄物しか作り出せない」

「失礼な!」


事実だけど真っ正面から言わないで欲しい。
切なくなる。