『楓も桐も上で寝てしまったから、今夜はボクが、ここで寝る』


思えば、寝る場所がなくなったからって
あいつが嫌ってる俺の部屋に来るわけがない。


嫌われているのは重々承知していた。

当時の俺としては一緒に遊んでいただけだったが、今から振り返れば随分ひどい事をしたと思っているくらいだから、嫌われて当然だ。


その俺のところに
普段、口もきかない俺の部屋に
普通わざわざくるか?


考えてみれば寝る場所なら母ちゃんと一緒とか、もっと他に何かあるはずだ。


いくら非常識な母ちゃんでも男の俺の部屋にハル1人ではよこさないだろう。


なんでいままで気が付かなかったんだ!



きっと、ハルは楓たちの話を聞いてしまったに違いないのだ。