「確かにあの子はわかりにくいかもしれないけれど…」 何? きこえない。 もっと大きな声で話して。 胸の前で思わず拳を固めながら、 もう1歩、扉に近づく。 お祖母様が何か言ってる。 …あーもどかしい。 はっきり話してよ。 また1歩、近づく。 あれ?なんだろう? 一瞬の沈黙。 微妙な間に不安が募る。 「…じゃあ、」 口火を切ったのは楓。 「お祖母様がツバキと暮らしてみればいい」