楓が痩せるのには5日もいらなかった。 頬が痩けて、 食事もろくにとらなくなった。 大好きでこっそりやっていたゲームも手付かずになり、 電話を片手に、居間を行ったり来たり。 「電話番、代わる」 そう、言ってみたことがあるけれど 「ツバキ、お茶淹れてよ」 て、いつもかわされる。 電話をするときは、必ず部屋にこもるし、楓が何をしているのか、皆目見当もつかなくなった。