帰ってメールが届いた。
『崎野太祐。よろしく』
って。
それから徐々に仲良くなっていき、6月半ば。
太祐は部活をやめた。
バスケ部で1番上手かった。
誰が見てもそう感じていた。
辞めた理由が知りたくて、でもききずらくて、
いつものように太祐の席で話していると太祐から話してくれた。
太祐は女嫌いでうちと梨南以外と話してるところを見たことがなかった。
「あのさ。俺部活辞めたけど本当はやめたくなかったんだよね」
「ならなんで辞めたの?」
「他の奴らにぐちぐちいわれて腹立って喧嘩になりそうでさ」
「なら喧嘩すればよかったんじゃない?」
「喧嘩したら停部になる。最後の大会にも先輩出れねぇ」
「そっか。今はなんも言われないの?」
「しらねぇ。あいつら陰で言うのすきだからどーだかな。」
「陰なのか…」
「んま。言ってんの知った瞬間ぶちぎれっけどな。あ。誰にもいってねーからゆーなよ」
「わかってるよ~」
この時まわりをちゃんと考えられる人なんだと思った。優しさがある人なんだと思った。
誰にも話してない事を話してくれて嬉しかったんだ。
