BLOODY RAINBOW





『ちょっとまって…
いきなりそんなん聞かされても…わかんないって…』



頭を抱えて俯く
まともにブラッドの顔が見れない
目の前が滲んでいくのが分かる。
ブラッドは何も話さなかった
私も何も話せなくて
長い沈黙が二人の間に流れる。
その間もブラッドが私をじっと見ているのが分かった



「ねぇ亜子、君は僕に何を望む?僕らガーディアンは主人の幸せのためなら何でもする。
生きたいなら必ず、僕は亜子を守るよ。でも死にたいのなら、主人も殺すことだってあるんだ、規約違反にはならないしね」




───耳を疑った。

何なのだ、この少年は
私に生をと語りかけてきたら今度は死を囁く。
なんて、器用な口先なんだ



『冗談、誰が死ぬかよ。私まだやることあるから』




私のその言葉を聞いてブラッドは満足気に笑んだ
そしてもう一度フェンスに乗って足を組む



「それでいいよ、死にたいとか言ったらホントに殺すとこだった」




冗談なんかじゃない、やると言ったら本当にやるのだろう