するとお母さんは、歯を食いしばって悔しそうにしている。
「もう、あなたも大人に近いし聞く権利があると思うわ。なぜ…………あなたのこどもの時の記憶がないのか。」
私は何も言えず、お母さんの言葉を待つしかなかった。
「あれは、あなたが6歳の時だった。お父さんとあなたがドライブをしていた時、そこに車が突っ込んできたの。
車はお父さん側に突っ込んできて、お父さんは即死だった。あなたは無事だった。
けど………無事に戻ってきたあなたには、記憶がなかった。私のことを、母だとも認識していない。
医者によると、ことの大きさが把握できず、自分の心を守るために記憶を捨てたのだろう、と。」

