百回目のキス










考えるより早く、体が動いた。








彼を抱き締めれば、抱きしめられる。










「奏思さん、奏思さん、奏思さん、奏思さん、」








泣きながら、ひたすら彼の名前を繰り返す。








「ごめんね。美咲ちゃん。美咲ちゃんにいっぱい辛い思いをさせたね。」







大好きな優しい声。







「もう、美咲ちゃんを一人にしないから。」








大好きなモジャモジ頭。