二〇一三年四月某日、私は一気に家・職・愛のすべてを失った。

まさかこんな結果を招くとは思いもしなかった。

自殺が成功しても失敗しても今頃はまだあの家に居て、もう会うことはないであろう貴方が来るのを、小さな期待を胸に待っていたはずなのに。


二十三歳になった時、ずっと憧れていた一人暮らしのため家族への相談もなしに勝手に家を決めてきて、半ば強引に引っ越しやっと手に入れたマンションの一室。

賃貸でも最上階の角部屋で気温が低く家賃が高くても、間違いなくその部屋は私にとって恋人と二人きりの空間をじっくり味わうには最適な場所だった。