『お大事にしてください~♪』


私は営業スマイルをしたまま休憩室に入るなりソファに豪快に腰を下ろした。


ドカッ――――



『なんなのよ…まったく!!』

「まぁそー怒りなさんな(笑)」



ニヤニヤしながら私に声を掛けて来るのは同期の佐久間 愛凜《さくま あいり》。


彼女は事務をしてる。



『愛凜みたいには私はなれない。』



そう愛凜は女の私から見ても完璧な可愛い女の子…


栗色のフワフワの綺麗な髪に小さい顔。整ったパーツにクリクリ二重の大きな目。

そしてスタイル抜群ただから着こなせるであろうオシャレな格好。



ため息がでるくらいに可愛い…




それに比べて私は後ろでひとつに縛った髪に黒ブチメガネ。セールで買ったセーターにジーパン…しかもメガネで誤魔化してるからノーメイクだ。



いやほんとこの違いには…止めとこう惨めになる。




「何言ってんの???」

『別になんでもない。』

「准はさ…恋したら変わると思うよ???」

『そーかな…』

「うん。シンデレラだって最初はダサい子だっんだから。准にも王子さま現れるといいね♪」

『………はぁ…』




呆れて何も言えなかったのは内緒…



王子さまなんてきっと可愛い子にしか現れない…