笑ってしまうのだ。 その姿があまりにも可愛くて。 あたしの視線に気づいた彼は顔を上げてはあたしを睨んだ。 「…何だよ」 「いーえ。何でもないっ」 あたしはそう言って笑うと、マグカップに口をつけた。 彼は甘いものが苦手だ。 そのため、彼のマグカップに入っているのはココアではなくミルクである。 モクモクと白い湯気を立たせるあたしと彼のマグカップ。 熱いココアに大満足のあたしと、少しでも早く冷まそうと息を吹きかけ続ける彼。