(熱い…)



しかしあたしはこの熱いココアが大好きなのだ。


少し前に友達に今のココアと同じ温度でココアを出したら熱すぎると苦情を頂いた。


それくらい熱いココアが好きだ。



チビチビと口をつけながら、そっと彼を盗み見る。



「………」



彼は猫舌だ。


しかしこうしてあたしにココアを作ってくれるときはあたしに合わせたお湯を作ってくれるため、彼はなかなかマグカップに口をつけることができないでいる。



時たま手に取っては、ふーふーと息を吹きかけては冷まそうと必死だ。


あたしはそんな彼を盗み見たまま、ふっと小さく笑う。