ココア。 寒い冬になるととてつもなく飲みたくなるのはなぜだろう。 あたしはコーンポタージュ派ではなくココア派である。 当然彼もそれを知っている。 あたしはマグカップにそっと触れては両手で包み込む。 「ん。あったかい」 熱めのマグカップ。 熱々のココアが好きなことも当然彼は知っている。 「お望み通り熱々なココアをご用意いたしましたよ」 あたしはその言葉に小さく笑うと、そっと口つけた。