「てめぇら、うっせぇんだよ、黙れ!!!」

恐らく、このクラスの男子の一喝でクラスが一気に静まりかえった。

声のする方に目をやるとそこには黒髪ストレートで綺麗な顔立ちの男子が不機嫌そうにクラス全体を睨んでいた。

「…ったく、ねみぃんだよ、俺は…静かにしろ、寿美礼、楓」

「ごめんなさい…」

「悪ぃ…」

寿美礼と楓が大人しくなった…。

てことは、アイツ…。

「なぁ、寿美礼、楓」

「「何?」」

おぉ、さすが双子。見事なハモリ。

「アイツって紅蓮のトップ?」

「あ…うん、そうだよ?」

「ふーん…」

あんな綺麗な顔をした奴が暴走族のトップかぁ。

もうちょっと厳つい顔かと思ってた。

「…おい、そこのお前」

また寝たかと思ってた紅蓮のトップが多分、あたしを呼んだ。

「は?あたし?」

「お前だよ。ちょっと来い」

立ち上がったかと思うとズカズカと近づき、あたしの手首を掴み、そのままあたしを連れて教室を出て行った。

…え、どういう事だ?あたし、目ぇつけられた感じか?