「…なぁ、居心地悪いか?」

突然、変な質問すんな。

でも、何であたしの気持ちが分かんだよ。

「あぁ、悪いさ。だから帰るんだよ」

あたしがそう言った瞬間、泰賀はまた獲物を捕らえるような…総長の顔つきになった。

正直言って、コイツの顔、好きだな。

「おい、てめぇら!コイツは俺のダチだ!余計な事したら許さねぇからな!」

「す、すいませんでした!」

…今、気付いた。このクラス全員…。

紅蓮のメンバーだったのかよ!!

面倒なクラスに入っちまった…。

いや、それ以前の問題だな。

「泰賀、気にすんな。信用は自分自身で手に入れるからよ」

「…ははっ、言い方がイケメンだなぁ」

泰賀は可笑しそうに笑った。

「わぁったよ、まぁ、せいぜい頑張れ」

自分の席に戻ろうとした所で足を止める泰賀。

そして振り返る。

「そこの付き人さん。名前は?」

「…倉門 蒼真(くらかど そうま)」

「浅見 奈桜美(あさみ なおみ)です」

「んー、サンキュ。じゃあな、神崎」

「あぁ。明日な、泰賀」