『…なんて、呼べばイイ?』


少女の名前を、俺はしらなかった。


だけど、普通に『君の名前は?』と聞く勇気はあいにく持ち合わせていなかった。


名前は…両親からもらうものだから。
まぁ、例外もあるけれど。


少しだけ、少女に惹かれたのかもしれない。


目に見えない『引力』



『…お前とか、てめえとか…呼ばれてた』


ポツリ、ポツリと雨のように少しずつ濡れていく。この感情は、何故か前にも出会っていた気がする。


『………何て呼ばれたい?君の名前だよ』



少し、微笑んだつもりだったけれど…少女はどう捉えたろうか。