血と肉片の混ざりあった異様な光景と、鼻をつく臭い。 吐き気を催すような空気の中、俺は気にすることが出来なかった。 抱き締めてくれた腕と、まだしている胸の音。 まだ、鮮やかに残っている。 怖い… もう見たくない…。 忘れたくて、忘れたくなくて、忘れたい。 悲しい記憶、淋しい記憶、そして不幸の始まり。 俺の守れなかった命は、俺を守るために、俺に殺された。