そうしなければ、俺達傭兵は生きていけないのだろう。


人を殺めて生きる人間は世界には必要ないのだから。


いつかはそのしっぺ返しにあう。




『死にません…死ねませんから』



俺はマスターに、飲み終わったカクテルグラスを差し出した。


カウンターに乗せると、マスターは少し切なげに口許を緩ませた。



俺は生きていない。
だから、死ぬことなどありえはしない。

あのとき、『私』は死んで『俺』を生み出した。


負けることは許されない。