味は辛口の飲み口で、強いことがうかがえた。


喉元を通すと、割ときつい刺激を発しながら落ちていく。
たまにはこんな感覚もいい。

落ちながら、俺を酔わせるその酒は前に飲んだことのある東洋の酒に似ていた。




『旨いだろ?顔で分かる』


マスターはカウンターへと戻り、席に座って時計を眺めた。




カラン…


ドア口のベルが軽快に鳴る。


大きめのそのドアはゆっくり開き、外から一人の男が入ってきた。



『いらっしゃい、キース。今夜はお前一人か?』


男に対し、マスターは知り合いなのか名前を呼んだ。


『あぁ、他は今忙しくてな。で…昼間の』


年齢は20代前半だろう。俺と同じか、もしくは年下のようにみえた。


緑の綺麗な軍服が、色鮮やかに映えた。