『んっとねぇ、緑色で肩に赤いラインが縦に入ってた。すごく着崩してて、最初は軍人さんに見えなかったんだよ』



緑に、縦に赤のライン。とりあえず、緑はアルディアの国軍の色だから敵ではなさそうだ。


けれども、赤いラインは見たことも聞いたこともない。


俺も数年この国で軍人をしていたことがある。
だいたい下級の兵士は同じ軍服で、隊長クラスになると隊長章がついたりするのだ。


飾りはあまりつけないのが、軍服の基本であるし、ラインなど本来位の高い軍人がつけるものだ。


高い位の軍人は、政府に移行し仕事をしている。そのため、こんな辺境の町中にいるはずがないのだ。


『ナディ、先にお風呂入るね』



『そうか、じゃあ俺は少し外に出てくから鍵かけとけよ。知らない奴が来ても付いてったりしないようにしろ。』



少し過保護かとも思ったが、これくらいは当たり前だろう。