『家族です』とは、どうしても言えなかった。


これから俺がすることを考えれば、リーフとは家族ではないほうがいい。
それに、リーフにとって俺のことを家族と思えるほどのことをしていないから。



『腕がたつのかい?』


『試してみますか?』


主人の問いに、ニヤリと笑んで、腰のモノに手をつける。
カシャリと、金属音が鳴った。


『…ハハッ、面白い小僧だねぇ。冗談はそこまでにしといてくれ』


主人は大口を開けて笑いだした。
下品なようで、陽気な笑いだった。
俺は好きな笑顔だった。


『仕事…紹介してやろうか?』


先程とはうってかわり、冷徹な声が俺の心臓に突き刺さった。