仕事を探す者は、他国の戦争の傭兵部隊として働きに出た。
ここに残るもの達は、政府に疑問や恨みを抱き苦しむ者ばかりが残った。
肌寒い空気がここを北の地であることを知らせる。
しかし、そんな場所でも明日を目指して生活している人達がいた。
農作物が育ちにくい環境でも、農業で生計をたてている人。
酒場を営み、元軍人達の相手をする者。
行商人となり、首都からいろいろなものを町まで運ぶ者。
たくさんの命の営みは、何故かほかの場所とは違ってみえた。
この町に来てからまだ一週間だが…しばらくはココに居着くことを決めた。
リーフは、働いてみたいらしく、昼間は酒場のお手伝いをするようだった。
俺も仕事を探さなくてはならないのだが、客商売は俺には向いていない。そのため、『腕』を評価する仕事に就きたかった。だが、この御時世…簡単に見つかるハズもなかった。
そうして、無職のまま…一週間が過ぎていった。
こうみえて、俺は飢えることはない。
水さえあれば、ほとんど生き延びることができる。
血筋…なのだろう。
リーフは…酒場の主人に可愛がられている。また周囲の元軍人達も、優しく振る舞っていた。