そんなこと思いたくなかったから考えるのをやめた。
きっと太地は恥ずかしがり屋なんだよね
だから言ってくれないんだよね
なんて思い込んで、考えないようにしてた。
そうしたらさらに不安になって、悲しくて、辛くなって・・・
なんだかもう、どうしたらいいかわからなくなってきた。
大好きな太地。
本当は気づきたくなんてなかった。
ねぇ、太地・・・
太地は私が、嫌いなんでしょう?
でも太地は優しいからね。
自分から別れなんて言えなかったんだよね
私がずっと、縛り付けてたんだよね・・・
だから私から振ってほしくて、こんなに冷たくするんでしょう?
わかってたんだ・・・ずっと前から。
太地は私にだけ、冷たいんだってこと。
ーーーーー
ーーー
高校3年の冬。
大知を探して校内を走ってたら、中庭にいるのを見つけて
こんなに寒いのに、外で何してるのかなって思って近づいたら
そこには笑顔で話す大知と・・・
綺麗な美人の女の子がいて・・・
絵になる2人に何も言えず、私はその場を後にした。
気づけば頬は濡れていて、なんで私泣いてるんだろうって思ったら、さっきの大知の笑顔が浮かんで・・・
ポツリ、また私の頬を涙が伝った・・・

