遠くなる距離と心




太地はきっと、そんなこと知らない。


私になんか興味もないように振舞う。




でも、私は太地のことならなんだって知ってる。



動物が好きなのに鳥は嫌いな太地。

少し触れただけでも眉間に皺が寄って睨むぐらいだし。



野菜が苦手で、特にグリンピースが大嫌いな太地。

チャーハンに入ってるグリンピースを一生懸命どかしてる姿が可愛くて、思わず写メっちゃったんだっけ。




それから太地は熱いものが苦手。

猫舌なんだって、少し恥ずかしそうに言った太地がもうね、キュン死にできそうなぐらい可愛かった。





考えれば考えるほど、太地の事が思い浮かんでくる。



もちろん、太地の誕生日だって知ってるし、プレゼントだってあげた。





別になにか欲しくてしてるわけじゃないけど、しいて欲しいものは何かって聞かれたら


私は太地の心が欲しい。





一緒にいる中で、一回聞けたらそれでいい。




私は太地に、好きだって、どうしても言ってほしいの。





そうしたら、離れ離れのこの遠恋だって頑張れる。


不安なんかなくて、太地のことだって信じていける。





でも、太地は言ってくれない。





なんでだろうって思ったし考えたこともあった。



けどたどり着く答えはいつだって



"太地が私を好きじゃないから"




しかないから・・・