高校二年生のあたしが好きになったのは、 結婚間近で従兄弟の《誠也お兄ちゃん》だった。 いや、好きになったんじゃない。ずっと好きだった。 ずっと昔の幼いころから。 だから結婚の報告がてら、 うちに遊びにきた誠也が 嬉しそうに笑ってるのを見たら、涙が溢れてしまった。 『──誠也お兄ちゃん。 一回でいいから 最後にキスして。』