少し待つとアナウンスがあり、その後すぐ電車が来た。前回同様、満員でぎゅうぎゅうだ。何とかいいポジションを確保しようと小さく脇に収まろうとしたが、人の雪崩は激流で、あっという間に中へ中へ。奇跡的に俺が確保したスペースはスーツ姿で背の高い女性と学生服の男の間。若干前に屈むことで前方に人が来ないようにした。後ろは知らん。一番大きいのは臭いがないので呼吸をすることができることだった。それだけで充分快適だ。…でも可能なら、もう乗りたくない。切実に。
体勢がきつかったが、少しでも身動げば女性のたおやかに主張する胸部に頭があたる。そして少しでも気を抜くと隣の男子学生に突っ込む。無論、俺にその気はない。俺は女の子が好きだ、大好きだ。以下省略。
これって実は、昨日よりきついのかもしれない。動けないのだ。別の意味で。…もうグッと動くか。誰も損しないだろうし。すいませんっってちっちゃい声で言えば、他意のない純情可憐☆な少年と笑って許してくれるんちゃうやろか。
…そういって、結局動かない、いや、動けないでいるのが俺と言う人間だ。ふん。
なんとなくいつもと違うこの現状にドキドキしてる自分がいる。
なんとなく今なら全てが上手くいきそうな気がするのだ。
これがご都合主義というやつか。


