眠れない眠れないといっているうち、いつの間にかしっかり眠ってしまっていたようだ。こういうところで、自分が成長してしまったことを実感する。もう次の日の遠足が楽しみで徹夜してしまう自分は何処にもいない。知らない間に大人になっていく。そういえば寝相も昔に比べると良くなった。ちょっと前まで、起きると枕に足がのっていたものだが。…まぁ一概に悪いことばかりではない。体力だって人並みについたし頭だって良くなった。あと一番大きいのは夜中まで起きていられるようになった事かな。これのお陰で随分とゲームが捗る…じゃない、勉強に打ち込めるようになったから。
よしよし、少しずつ思考がはっきりしてきたぞ。外が暗いということはまた随分と早い時間に目覚めたものだ。手探りで携帯を探す。相変わらず液晶は眩しい。時刻は3時50分。自分で設定した時刻よりも2時間も早い。早すぎる。最早引くレベル。なに、朝練すんの?それとも美容の為にゆっくり半身浴でもすんの?女子かっ!!
布団から這い出ようとゆっくり足を布団からだす。すると、朝の空気が部屋を満たしていることに気づく。さーむい。やっぱり寒い。しかし、気合いでどうにかオフトォンを脱出しリビングへ。
「…あら、なにあんた。今日も雨降らすの?」
「うっせーよ!!昨日も降ってねーよ!!おはよう!!」
朝から母は辛辣である。だが、そんなものに負けるわけにはいかない。俺には天よりも高く海よりも深い早起きの理由があるのだからっ!!
ゆったりコーヒーをのむ。ふぅ、あったまる。気持ち目がシャキッとした気がしないでもないことない。トーストを頬張る。んー、いっつも朝このくらいゆっくり出来たらいいんだけど。家には煩悩が多すぎる。必然的に、夜は遅くなっていく訳で。
まぁ、そんなことはいい。すごくどうでもいい。
今から俺は戦地へと赴くのだ。
そうこうしてるうち、コーヒーを飲み干していた。
よし、いこう。
俺はゆっくりと、玄関を開き家を出た。


