しかし、緊張しているからか、全然寝付けない。寝なくていいんじゃないかもうこれ。
どんな話をしよう、なんていって教室入ろう。先輩は俺のことを知っているだろうか。…やめよう、それはない。話したこともないし。大体こういうときって都合よく考えてしまうからよくない。常に最悪を想定していないと、ダメージに耐えられない。そして、往々にして現実は容赦がない。なんなら拒絶まである。俺のメンタルガッリガリ!!


いやいやいや…あの先輩だ、そんなことはない。ないだろう、ないはずだ…そう信じることさえ難しい。こういう時、優のポジティブな思考が、どうしても羨ましくなる。でも優の持つそれは、時と場合によって疎ましいとされるものだ。そして陰口、いじめなんかに発展する。優は未だ知らないだけなのだ。学校という社会が、どれだけ無慈悲で残酷なのかを。そうやって疑わないから、羨ましいし、反面綺麗なままでいてほしいとも思う。世間知らずも甚だしい。っといっても、俺自身もそんな経験したことない。聞いたり、見たりした情報からしてそうなるっというだけだ。今の時代、必要な情報はネットでほぼ全て
手に入る。或いは、不要な情報も。だから体験せずとも語れることは多い。それがいいことなのかどうかは知らないが。少なくとも、パワプロやって得た情報で、野球を語ってはいけないと思う。…あれ、自分自身を全力否定しちゃったよ。



…人のことはいいんだよっ、自分自分。




眠れない夜は長い。それもそのはず床についたのは夜19時少し過ぎ。一体何時になれば明日は来るのか。時計を見るのも億劫だ。

早く寝てしまいたいというのに、浮わついた心が静まることはない。このまま明日が来なければ、俺は一体どうなるのだろうか。生きていれば誰だって当然のように明日を生きる。明日は今日でもあり昨日にもなる。一体幾つの今日を、俺は無駄に生きてきたのだろうか。将来の夢や、目的も持たず、酸素を吸い二酸化炭素を吐き出す。何処に、なんの価値があるか?

答えの必要ない思考は、止まらない。




だが一つだけ、はっきりしていることがある。



もしも明日が来なければ、俺は先輩に会えないということだ。


それ以前に、明日いるかもわからないが。
可能性の話だ。たらればさえなくなってしまっては人生つまらない気がしなくもない。人は宝くじで夢を買うし敷かれたレールが無いから戸惑いもする。…こういうの、いつ覚えたんだろうな。もう忘れてしまったよ。
期待と不安が混ざりあって、なんか吐きそう。




早く明日にッなれー。