流石に息は白い煙にならずとも、寒いものは寒い。っていうか、この時間の方が駅って混むんだな。知らなかった。自分がまさか通勤ラッシュに巻き込まれるなんて。ちょ、ちょちょちょ。狭い狭いっ!!痛い痛い痛い!!おっさん臭い臭い臭いぃいいいっ!!!!
斜めに射し込む太陽の光は暖かさを増し、街が目覚めるのを促しているようだ…いたたた。くそ、現実逃避もさせてくれないとか。やっぱりいいことないじゃないか。散々だよ。寧ろ朝が俺のことを嫌がっているまであるな。仲良くしようよ。モーニンッ!!いててでで!!
なんとか地獄を抜け出し、坂道を歩く。桜が花をつけ始めた。なんだか俺を慰めてくれているようで油断すると泣きそう。泣いちゃいそう。世の中悪いことばっか鼻につくけど、そんなことないよなっ?あたりを見渡せば幸せはそこら中に転がっているんだぜ。誰だよ俺。
学校につけばちらほら人はいるものの、随分校舎内の雰囲気が違うことに驚かされる。もの悲しいふいんき(何故か変換出来ない)に少しだけ戸惑いつつも俺は自分のクラスへ向かう。
我が校の玄関は丁度校舎の中央にある。向かって左が体育館。中央の通路をいけば音楽室やびじゅつしちゅ(言えない)一階の右手に職員室があり、その奥に一年の教室。教室群と職員室の間にある階段を昇り、二階が二年、三階が三年の教室だ。中央の通路脇にも階段があり、こちらからも教室へ行ける。普段は此方を使用しているが、今日は堂々と職員室の前を通ることができる。ふんすふんす。って、胸張ることでもないか。


