闇の中の月姫







龍也「えー、今日は転校生がいる。月夜入ってこい」









月夜って私……だよね?







今は、坂月なんだけどなあ。








龍也、後でしばく!







ガラガラガラ





私が入ったとたん、教室はまたざわめきだした。







「ちょー、綺麗じゃん!」







「俺、アイツ狙っちゃお!」





すぐにそういう目で見る男達。







「なにあれぇ、ちょっと可愛いからって男にモテると思ってるよねぇ」








「美人だけど、生意気そー」







まだ、しゃべってもないのに悪口をいう女子。







綺麗とか美人とか、いい加減にしてよ。







ここでも、私はこの容姿に苦しめられるの?






でも……別に誰とも関わらなければいいだけの話。








『…坂月 星亜』







……自分の名前だけ自己紹介はした。







また、ヒソヒソと聞こえる話声。







聞きたくもなくて、私は耳にかけている髪を耳へかぶせた。








『……龍也、私の席どこ』








龍也「そ、そこの窓際のい、一番後ろだ」







……え、なんでそんなにビクビクしてるんだ?








あ、イラついて殺気だしちゃったのか。