「葉月嬢ー、いいのか? 東雲家の大盛りは女子にはきついぜ?」
「ふっふっふ……舐められたもんですね……。
私の胃は伸縮自在、人間界のブラックホールと呼ばれているんですよ」
「まじか」
先月腹壊したときに、内科の先生に笑われました。
まじです。
「じゃあおっけ、用意するわ」
「よろしくお願いします!」
佐助君が去っていくと、東雲先輩は
やはり紅白に夢中になったようだ。
テレビにかじりつくようにして見ていた。
結果発表の真っ最中で、結果は白。
「だから言ったでしょう、出来レースだって」
「ふざけんな、てめぇのせいで酔いがさめた」
「酔い……飲んだんですか、未成年」
「ちびっとな」
と、先輩の座っていたところに置かれている
半分減った一升瓶。
……絶対嘘だろ。

