「ふざけんな! はよ出てこいや東雲ええぇぇぇっ!」
ぴんぽーん
ぴんぽーん
ぴんぽーん
ぴぽぴぽぴぽぴぽぴーんぽーん
嫌がらせのように連打してやると
東雲先輩がまさしく般若のような顔で
門を開けた。
「うるせえええええええ!!」
「知るかよ馬鹿! 早く出てこないあんたらが悪いんやろ!」
「大晦日の11時に訪ねてくる奴とか信じられねぇよ!
静かに紅白の投票見守らせろ!」
「どうせ今年は白組が勝ちですよ! 出来レースですよ!!」
「言うな馬鹿! 俺はドキドキしてみてぇんだ!」
「若、葉月さん、近所迷惑になりますので
――――屋敷におあがりください」
東雲先輩の後ろには
般若を軽くしのぐ恐ろしさの笑顔がございました。