10
9
8
7
6
5
4
「3、2、1」
カウントが終わり、大広間が一段と騒がしくなる。
私たちは、静かにお互いの目を見ていた。
吸い込まれそうな感覚。
赤く、獰猛な瞳が揺れて、少しだけ笑顔を見せた。
「今年もよろしくな、藤原」
「はい、お願いしますね。先輩」
先輩から言われたのは予想外だった。
それも笑顔つきとか。
「ドSですね」
「突然なんだ」
超ド級のサービス(ドS)、ありがとうございました。
「おい藤原」
「はい」
「今年も、勝手に目ぇそらすのは構わねえが、
――――どうなるかは、身をもって体験してもらうぜ」
「了解っす」
▷ その かお は まるで あくま だった。

