シュートを決める度に、
   体育館に歓声が響く。
   そして、試合終了のホイッスルが
   鳴り一息つこうと思ったが、
   その考えは甲高い歓声と
   こっちに向かってくる勢いで、
   かき消されてしまった。

   「小野寺さん、かっこいい!」
   「メッチャすごかった!」
   「バスケ部入って~!」

   なんて言葉が、私の周りを
   囲んでいる女子達から飛び交う。
   こんなに一気に言われたら、
   困るんですけど。
   そう思ったが、顔には出さない
   ようにした。
   あ、翔・・・。

   目線の先に翔がいた。
   でも、翔はすぐに試合に入って
   行った。
   私を見ていた気がするけど、
   気のせいか。
   視界にニヤケた顔でこっちを
   見ている霧島君が、入ったが
   気にせず無視した。