12年前養子として引き取られた
   私琴晴(ことは)は、
   仲が良く優しい夫婦
   の娘として生きていく
   ことになった。

   その3年後、私と同い年の
   男の子が養子として
   引き取られ、私達家族の一員
   となった。
   名前は翔。(しょう)
   家族が増えることは、苦では   
   なかった。でも、私達二人を
   育てる両親に、私は気を遣う
   ようになった。

   そして、1年が経ち両親が
   亡くなった。
   身寄りがいない私達二人は、
   結局二人暮らしをすることに
   なった。

   しかし、その決断は
   大きな決断をすることに
   なってしまう事を
   その時の私はまだ知らなかった。