きっと宏貴くんは真剣だ。
でも私宏貴くん期待に答えることなんてできないよ。

「梨々香」

やめてよ。その声で呼ばないで・・・っ!

「もしお前が俺の彼女になればきっと傷つくことも少ないと思うし、お前高校に入ってからなんか変わったな」

変わった?
え、私そんなことないよ。

「で、でも」

「お前の悲しむ顔もうみたくないんだっ!」

「宏貴くん・・・」

この優しさが好きだった。

いいのかな。
宏貴くん迷惑じゃないかな?
私宏貴くんを縛って重い女にならないかな?

不安が積み重なる。

「梨々香駄目か?」

下から目線なのか上から目線なのかよく分かんないけど私、きめたよ・・・。

「こ、こんな私でよければお、お願いしますっ」

宏貴くん顔には笑顔が満ち溢れていた。

「ま、まぢで?!嬉しいー!!!!」

ガッツポーズまでしちゃって。

ぎゅっ。

強く抱きしめられた。
温かい。
宏貴くんの温もりだ。
ちょっと苦しかったけど私は嬉しかった。

「大好きだよ、梨々香」

照れくさい言葉だったけどそれが喜びに変わってゆく。

「私も好き」

照れくさそうにしたを向いて言う私を見た宏貴くんが

「あんま照れんなよ」

頭をぽぽんした。
その大きな手。
わたしの頭を包み込むようになでてくれる優しい宏貴くん。






ありがと




この言葉が胸いっぱいに溢れる。