「あぁ〜温泉気持ちよかったぁ」

気づけばもう夜だ。

「極楽極楽〜♪」

「ふふっ」誰かが壁の影で笑っている。

「だ、誰です・・・きゃっ」

ものすごい勢いで壁に押し付けられた。

「お前、何気なく俺をさけてるだろ?」

「な、何の事?」

シラを切る私をみた誠はなんだか不機嫌そうだ。

「な、何よ」

「お前さぁ、宏貴のこと好きなの?」

「は?意味わかんないんだけど・・・」

勘違いにも程がありますよ?

「じゃぁ、近づくな」

「・・・へ?」

「だから、あいつに近づくなって!」

「え、何で?」

「気分悪いんだよ、お前とアイツがいると」

「何それ?!意味わかんないんだけど・・・
どうせからかい相手がいな・・・ちょっ」

またこれだ。
柔らかい感触のものが私の唇を包み込む。

「やっ・・・んんっ?!」

やだやだやだやだ!!!!
やめてよ!誠!!

ヒザがガクガク震えて立っているのも精一杯。

いつの間にか腰に手が回されていた。

「や、やだ・・・よ、ま・・・まこっ・・・と」

私は泣きながら力いっぱいこの言葉を伝えた。

でも、キスは激しさを引くこともなくドンドンエスカレートしていく。

意識がもうろうとしてくる。

駄目だ私・・・。
もぅ、だ・・・めっ・・・。

「っあ!・・・や、やだよっ!」

ベロとベロを絡めて不思議な行為だ。

「・・・っん。」

私は誠に連れられるままに誠の部屋に押し込まれた。

「ま、まこっ・・・」

ードン。

ベッドに押し倒された。

「ま、こんなのやだよっ!!!」

誠はなにも返事を返さないままわたしの服を脱がした。

「やっ!!なにすんのよ?!」

私は泣きながら叫ぶ。

「やっ・・・ふぇ、ふぇーん」

子供のように泣き叫ぶ私を見て目を覚ましたかのように私から離れる。

ばしっ!

私は思わず誠を殴っていた。

「バカバカバカバカ・・・っ!」

「ご、ごめん。俺・・・」

「怖かった・・・」

「え?」

「誠がこんなことするなんて怖かったっ」

「ご、ごめん・・・」

体がまだ震えている。

「梨々香・・・」

誠が手を差し伸べた。

「触らないでっっ!!!!!!」

あ・・・。

「もぅ、いいわ」

何それ・・・いかにも私が悪いみたいな言い方してさ。私被害者だもん。

バカ・・・誠のバカっ!