宏貴くんの好きな子って誰なんだろう。

「あの2人お似合いじゃん!」

「どの2人?」

「ほらあそこ!宏貴と梨々香」

「あっ、本当だ〜」

「オーラがあるよね♪」

中学時代の同級生たちがこんな話をしてるとは知らずに・・・。

「何か喋ってよ!」

私はこの重い空気に耐えられなく言った。

すると、宏貴くんが笑った。

「な、何笑ってんのよ?!」

「あー、やっぱ駄目だわ。」

「へ?」

「お前といるとほかの女子と話してる時と全然違うっつうか・・・何て言うか・・・」

ちょっと、顔を赤くした宏貴くんがこっちを向いた。

腕をぎゅっともたれ真剣な目で私を見つめてきた。

「俺な・・・」

ごくり。
つばを飲み込み緊張感のあるこの場を乗り切ろうとした。

「お前のこと、す・・・」

「はぃ、そこまでー」

いいタイミングで誠が割り込んできた。

「何よ?」

宏貴くんも驚きを隠せない顔をしていた。

「ちょ、俺手伝いしてくるわ」

宏貴くんは頭を抱えてバーベキュー会場に向かっていった。

「お前、宏貴と何してた」

誠が真剣な目でこっちを見つめてきた。

「え、何もしてないけど」

即答する私。

「何かあっただろ?」

「たとえば?」

「え・・・」

誠が困り始めた。

「こ、告白とか?」

は?何言ってんだこいつ。

「そんな分けないじゃん」

「じゃぁ、何話してたんだよ!」

「あんたには関係ないでしょ!」

「関係あるんだよ!」

「え?」

「幼なじみだからな」

「それと、これとは別だわっ!」

誠がちょっと赤くなった。
気のせいかな?

「は、はやくバーベキューするぞっ」

「う、うん」

私と誠はバーベキュー会場に急いだ。