「あ゙〜。暑い」

気づけばもう夏。

「・・・来週まで猛暑が続くでしょう」

おいおい。

アナウンサーさん。
そんな残酷なこと言わないでおくれよ。



私は夏が大の苦手。
夏に生まれたのに・・・。




暑いし暑いし暑いし。




学校もあと一週間で夏休みに入る。


この一週間が意外と長いんだよな。

「梨々香~」

横から声が聞こえる。
誠だ。

「何?」


「シャーペンの芯くれよ」


「いっぽん100円ね」


「は?!なんだそれ?
金取る気か?」


「そうですけど、なにか問題でも?」


ちょっと怒り口調で答えた。


「何怒ってんだよ」




「暑いから怒ってんのよ!」



「だからって俺に当たるなよ!」


誠もムキになり始めた。


「暑いもん」



「そんなん知らねぇよ」



知ってるわよ・・・。
そんなこと。

誠がいきなり

「こうすれば涼しいぞっ」


私に水をかけてきた。


「きゃっ・・・!!」


冷たっ!
ちょっ・・・


「ちょっと、あんた・・・」

制服びしょびしょ。

「げっっっ!」

「ふざけんなよっっっ!!!」

私は腕をあげた。


「あ」

あ?ん?何?

「お前が・・・」


「はぃ?」


「ブラ透けてんぞ」


え?
自分の胸を見た。

・・・。

「ぎゃぁーーーーーーーーーーーーー」


誠はただただ笑う。


「絶対ゆるさないんだからー(怒)」

「ま、待てって!」

誠はただただ笑う。

「何笑ってんのよ?!
ちょっ、っ、待ちなさいよー!!!」

私は誠を必死で追いかけた。