「明日は司、学校に行かないらしいぞ」

父も唐揚げを頬張る。あぁ、1番大きいやつ。
あたしが食べちゃまずいかなと思って残しておいたのに、このくそ親父はいとも簡単にお食べになられたな。

「ふぅん、何で?」
「さぁ…。あいつもわっかんねぇ奴だからなぁ。ねぇねぇ賀奈子ちゃん、ちゃんと食べてる?またダイエットとか駄目だからね」
「もぉ~、分かってるわよぉ。辰巳さんに迷惑かけるわけにはいかないわよぉ」

目の前で肩を寄り添いあう2人。
自然と眉が寄った。

全く、いつまで経ってもいちゃこらいちゃこら。
現在の事に夢中で、どうせ将来の事なんて全く考えていないんだろう。

ご飯を食べ終わって、あたしは席を立った。

「ごちそうさまでした」
「今日はおかわりしないのぉ?珍しいわねぇ」
「賀奈子ちゃん、弥刀は昨日風邪引いたばっかだから」
「そうだったわね」

けらけらと2人は他人事のように笑う。
実の娘だってのに「大丈夫?」の一言くらいあってもいいんじゃないか。

自室に戻って、一息ついた。


明日は神谷が学校に来ないのか。
何かあったんだろうか。

まさか、あたしの風邪がうつったんじゃ。

何でだろう、そんなに悪い気がしない。


まぁ、あいつの事だ。大丈夫だろう。


あたしは着替えを持って、風呂に向かった。