「ちょっと、弥刀ちゃん!!」
すぐに彼女の腕を引っ張り、一緒に右方向に倒れ込んだ。
ドン。
耳を覆いたくなるような衝撃音が、すぐにした。
僕はなんとも無い。弥刀ちゃんは?
視線を落とすと、弥刀ちゃんはゆるゆると首を上げた。
無事だ。
心臓がいつもよりうるさい。
もし、もしも今の弾が当っていたら。
僕はぞくりとした。
すぐに立ち上がって、もう1度撃とうと銃を構えているそいつの手を蹴り上げた。
手から離れた銃が畳の上を滑る。
それを弥刀ちゃんが手にとって、じっと見ている。
何も喋らなかった。
僕が居るのにそのままの格好で、無表情で、ただ銃をじっと見ている。
「弥刀ちゃん?」
僕が声を掛けると、弥刀ちゃんははっとしたようにこっちを向いた。
大きな目を見開いている。
青紫の痣が痛々しい。
「芽瑠!!!!!」
勢いよく立って、そのままの格好で、僕の横を通りすぎた。
「…え?」
彼女がすぐに駆けつけたのは、友人のメルちゃんが居るところだった。
「芽瑠!!大丈夫だった?怪我は?!」
血相を変えて、弥刀ちゃんは友人のメルちゃんに問いただしている。
弱弱しい声で「大丈夫」を聞くと、弥刀ちゃんはその場に力なく座り込んだ。
「よ、かった…」
さっきの衝撃が走る。
さっきまで、犯されるか殺されるかって言うあんなに危ない状況だったのに。
弥刀ちゃんは自分より、人のことを1番に考えていた。
人の為だったら、自分がどんな目に遭おうがその人を守りきる。
そんな気高い気品を感じた。
そして、自分を疑った。今見ているものは、現実なのか、と。
自分より人を優先する、そんな人間本当に居るのだろうか?と。
人間である以上、そんなことがありえるのか。
あったとしても、綺麗ごとじゃないか。
どんな人間も、どんな動物も、自分を犠牲にしてまで他を助けると言う効率の悪いことを、好き好んでやるわけがない。
僕はそのへたり込んだ小さい背中を見ると、抑え切れない熱がどうしても込みあがってしまう。
なんの感情なのかは分からない。
喜び、怒り、悲しみ、苛立ち、全ての感情のような爆弾が、喉の奥から突き上げてくるような。
なんの感情なのか分からないのが、余計に僕をイライラさせた。
…きりがない。
僕はいったん考えることを止めて、弥刀ちゃんの脱がされたものを持って、その血生臭い四畳半を出ることにした。
すぐに彼女の腕を引っ張り、一緒に右方向に倒れ込んだ。
ドン。
耳を覆いたくなるような衝撃音が、すぐにした。
僕はなんとも無い。弥刀ちゃんは?
視線を落とすと、弥刀ちゃんはゆるゆると首を上げた。
無事だ。
心臓がいつもよりうるさい。
もし、もしも今の弾が当っていたら。
僕はぞくりとした。
すぐに立ち上がって、もう1度撃とうと銃を構えているそいつの手を蹴り上げた。
手から離れた銃が畳の上を滑る。
それを弥刀ちゃんが手にとって、じっと見ている。
何も喋らなかった。
僕が居るのにそのままの格好で、無表情で、ただ銃をじっと見ている。
「弥刀ちゃん?」
僕が声を掛けると、弥刀ちゃんははっとしたようにこっちを向いた。
大きな目を見開いている。
青紫の痣が痛々しい。
「芽瑠!!!!!」
勢いよく立って、そのままの格好で、僕の横を通りすぎた。
「…え?」
彼女がすぐに駆けつけたのは、友人のメルちゃんが居るところだった。
「芽瑠!!大丈夫だった?怪我は?!」
血相を変えて、弥刀ちゃんは友人のメルちゃんに問いただしている。
弱弱しい声で「大丈夫」を聞くと、弥刀ちゃんはその場に力なく座り込んだ。
「よ、かった…」
さっきの衝撃が走る。
さっきまで、犯されるか殺されるかって言うあんなに危ない状況だったのに。
弥刀ちゃんは自分より、人のことを1番に考えていた。
人の為だったら、自分がどんな目に遭おうがその人を守りきる。
そんな気高い気品を感じた。
そして、自分を疑った。今見ているものは、現実なのか、と。
自分より人を優先する、そんな人間本当に居るのだろうか?と。
人間である以上、そんなことがありえるのか。
あったとしても、綺麗ごとじゃないか。
どんな人間も、どんな動物も、自分を犠牲にしてまで他を助けると言う効率の悪いことを、好き好んでやるわけがない。
僕はそのへたり込んだ小さい背中を見ると、抑え切れない熱がどうしても込みあがってしまう。
なんの感情なのかは分からない。
喜び、怒り、悲しみ、苛立ち、全ての感情のような爆弾が、喉の奥から突き上げてくるような。
なんの感情なのか分からないのが、余計に僕をイライラさせた。
…きりがない。
僕はいったん考えることを止めて、弥刀ちゃんの脱がされたものを持って、その血生臭い四畳半を出ることにした。

