結愛は泣きそうになってうなずいた。


本当は領平に好きだと伝えたかった。



でも照れ屋で内気な結愛には言えるはずもなく、

かろうじてやっと小さな声で伝える。


「りょ、領平。えっと…住所教えてくれる?」


結愛は生徒手帳とペンを差し出した。



「おう。いーよ。」



領平は几帳面な字でさらさらと書いていく。



隣の席だったころはよく見た、男子にしては丸みを帯びた優しい感じの筆跡。



「はいよ。」


「ありがとう」