両親が離婚し、母親の実家の東京に引っ越していったのだ。


あまりにも急な話で、お別れ会も何もできなかった。



最後の日、せめて連絡先だけでも知りたいと、


放課後結愛は領平の後を追った。






「領平っ!!」



玄関近くの廊下で親友人3人に囲まれていた領平に、結愛は声をかけた。


普段おとなしい結愛にみんな少し驚いた顔をしていた。



ほかの3人は先に行き、領平わ結愛に向き合った。




「今までありがとうな。

ほんとは一緒に卒業したかった」



領平はさみしそうな、でもやさしい顔でほほ笑んで言った。