───放課後──
山宮くんは、ジュースを買ってくるみたいで、私は1人教室で待っていた。
なんか待ってる間にしとこうかな……。
そう思って数学の問題集を取り出す。
開いて、解いてみようとすると………
「あ、違う違う。そうやったら解けないよ」
と後ろから聞こえてきて、びっくりして後ろを振り返る。
「はははっ!びっくりしすぎ」
なんて言って呑気に笑っている山宮くん。
「もう!めちゃくちゃびっくりしたじゃん!」
と頬を膨らましてみる。
と、視線をそらされてしまった。
え、そんなにキモかった?うそ……やめとけばよかったかも…。
「は、早く勉強するか!」
そう慌てた様子で、鞄を漁る山宮くん。
顔は見えないけど、チラッと見えた耳が………
ほんのり赤い気がした。

